個人的考察【設計事務所】 | 有限会社 海老原建築

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Column

2022.07.21

個人的考察【設計事務所】

設計士による個人的考察。

設計事務所さんです。メリットデメリットを簡単に挙げていこうかと。
 ※個人の勝手な見解です。


〇メリット
 ・自分のこだわりを隅から隅まで実現できる可能性が一番高い
  間取りから、意匠性、特に「設い」については、
  ハウスメーカー、工務店とは段違いと思う
 ・自分の思いを、設計事務所側が引き出して提案してくれる、というのが最大のメリットかと。
 ・工事の見積もりの精査をしてくれる
 ・第三者の立場で現場の工事状況を確認してくれる


●デメリット
 ・設計事務所により、得意不得意がかなり差がある
  意匠性を主とする設計事務所が多いのが現状だと思います。
  耐震性能や断熱性能にまったく注意を払っていない事務所もあるのも事実。
 ・あくまで「設計」専門のため、現場を知らない設計者が
  描くと、現場の工事段階で色々トラブルが起きることもある
  個人的には現場を知らない設計者がかなり多いと思う。
 ・設計者と感覚が合わないと大失敗します
  (良しとしているモノ・コトが合っていることが必要)

※実際に昔弊社で設計事務所の物件を施工した際、工事着工後に施主が設計事務所をクビにした事例がありました。施主の言い分をまったく聞かなかったようです。その後、工事監理者を変更して、実質内部の特注手摺などはうちの現社長が仕様から何から色々手配して納めたらしいです。

・工事会社について、安ければ安いほどいい、という考えで決定すると
  仕上がりの質や完成後のフォローなど、逆に良くならない場合も多い。.

・先に設計契約が必須。


◇総括
 やはり「自分の思いを実現できる」という可能性が高い、というのが一番のメリットかと思います。自分だけの家を特注したい、という感じですね。また、設計と施工が分離になるので、工事会社の見積もりの精査や工事状況の確認を変わりにやってくれる、というのもかなり大きいと思います。
 設計事務所毎の特徴がまったく違うため、そこの見極めが大事になってきます。わかりやすいのは、今までの事例を見て、自分の感覚に合うものを設計しているのか否か、というところが最初の判断材料になろうかと思います。
 つまるところ、オンリーワンが欲しい人にはオススメです。ただし、「合う・合わない」が如実に出ます。という感じ。
 また、よく「設計事務所だと余計に設計料がかかる」ということを耳にしますが、それは間違いです。
 その分、設計・監理に労力をかける対価を支払う、ということなので、なんらおかしいことではありません。タダではなく、しっかり費用を頂くので、設計自体をより良いものに昇華していく、ということが可能です。


 例えば、よくありがちなのは、「間取りから考える」というやり方ですが、それだと「便利」ではありますが、「空間」や「構造の意匠性」等が犠牲になりやすいため、「外と中のつながり(中間領域ですね)」や「設い」が損なわれてしまいがちです。ここで「心地よさ」がかなり左右します。設計事務所であればそのあたりの対処ができる可能性がかなり高くなります。
 安く、またはタダで、設計してもらって、よい設計ができるわけがありません。そのあたりをよく認識してもらえればと。